中卒・高卒で警察官になるには?身長・年齢条件!体重・視力・学力も

警察官

警察官は、公務員の職種の中の一つであり、公務員は収入やキャリアにおいて安定型の代表格と言える職業です。

安定性を求めて警察官になることを目指す人も多く、中卒・高卒の人でも目指せる職業でもあります。

学歴が理由で今後の収入ののびしろやキャリア形成に不安を感じているのであれば、警察官になることで、そのような不安を取り除くことができると思います。

今回は、警察官になるにはどうすれば良いか?、身長や年齢などの受験資格等の条件についてご紹介します。

目次

中卒・高卒で警察官になるには

まず、警察官の採用について説明していきます。

東京都以外の警察官の採用は「警察官A」「警察官B」と区分が設けられています。それぞれの違いは学歴となっており、「警察官A」は大卒・卒業見込み者、「警察官B」は警察官Aの条件を満たさない人となっております。

そして、東京都(警視庁)の警察官採用の場合は、年齢と学力面で、「I類」「Ⅲ類」の2つに分かれます。定義としてはⅡ類もありますが、今年(令和1年)の採用ではⅡ類の採用は実施されていません。

Ⅰ・Ⅲ類の採用情報では、それぞれ以下の条件が設けられています。

  • 類(大学卒業程度)
    • 35歳未満で大学(学校教育法による大学(短期大学を除く。))を卒業又は卒業見込みの人
    • 21歳以上35歳未満で大学卒業程度の学力を有する人
  • 類(高校卒業程度)
    • 35歳未満で高校(学校教育法による高等学校)を卒業又は卒業見込みの人
    • 17歳以上35歳未満で高校卒業程度の学力を有する人

※年齢の上限は、各試験の第1次試験日を基準とします。参考資料)“警視庁 令和元年度警視庁採用サイト” https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/saiyo/31/recruit/info-police.html

ざっくり説明するならば、I類は大卒、または大卒同等の学力を有する35歳未満の人を対象としています。

一方、Ⅲ類は高卒・または高卒同等の学力を有する17歳~35歳未満の人が対象です。

つまり、中卒者・高卒者であれば、「警察官B」や「Ⅲ類」での採用を目指すのが近道です。

警察官の種類

一口に警察官と言っても、その役割や仕事内容はとても幅広いです。

ニュースやTV等で耳にする「警察庁」「警視庁」「都道府県警察」の違いやそれぞれの関係をご存知でしょうか?

警察官の種類について解説していきます。

警察庁(国家公務員)

警視庁は、警察全体のとりまとめを行う機関です。都道府県警察同士の調整役をしたり、治安維持のための計画や政策の運用を行ったりしています。

都道府県警察(地方公務員)

都道府県の警察機関です。その中でも日本の首都である東京都の警察は警視庁と呼びます。

警察官の採用試験の内容

警察官の採用試験は、1次試験で筆記試験、適性検査、身体検査が実施されます。それに通過すると、次は2次試験として面接、身体・体力検査、適性検査が行われます。

警視庁の採用サイトによると、1次試験の適性検査はマークシート方式、身体検査は身長・体重測定のみとなっています。

しかし2次試験では、適性検査は記述式も含まれ、身体検査は視力や血液検査など、細かい検査が実施されます。

中卒・高卒者が警察官になるには

中卒・高卒者が警察官になるには、地方公務員である都道府県警察を目指すのが警察官になる最短ルートです。

警視庁なら「Ⅲ類」、道府県警察なら「警察官B」です。

教養試験、適性検査、身体検査など、実施する試験の種類は、Ⅰ類とⅢ類(警察官Aと警察官B)共通しています。

しかし、Ⅰ類とⅢ類(警察官Aと警察官B)では年齢や学力の条件が違いますので、出題内容はそれぞれのレベルに沿った内容となっているようです。

また、1次試験では学校で勉強するような国語・算数・英語に加え、政治経済・法律といった観点からの問題も出題されますので、中卒・高卒の方はその辺りもしっかり対策をしておく必要があります。

採用試験通過後は警察学校に入学

採用試験に通過後、警察官として働くまでにもう一段階あります。

それは、警察学校に入学し、警察官になるための知識や技能を身につけることです。

警察学校は全寮制で、I類の人は6か月間、中卒・高卒者が対象になるⅢ類の人は10か月間の教育期間があります。

この警察学校を無事卒業できると、晴れて警察官としての仕事がスタートします。

警察学校の期間中から給料をもらえる

ちなみに、警察学校に通っている期間中も給料の支払いがあります。

給料の話をすると、Ⅲ類の初任給は213,900円。そして一般企業で言うボーナスが4.6か月分支払われます。年収は350万円以上となります。

厚生労働省が発表している『平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況』によると、高卒の平均初任給は165万円程度となっていますので、警察官の給与ははるかに高い水準と言えます。

参考資料)
・“警視庁 令和元年度警視庁採用サイト”(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/saiyo/31/recruit/info-police.html)
・“厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給”(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/18/01.html)

中卒・高卒で警察官になるには?身長や年齢などの条件

都道府県警察を目指す場合、都道府県別に採用条件が違い、それぞれの都道府県警察で採用を行っています。

そのため、採用情報の詳細は、ご自身が希望する都道府県警察のウェブサイト等を確認することをおすすめします。

ここでは、警視庁(東京都の警察官)における採用条件についてお話します。

東京都以外の採用試験を検討の人は、警視庁の「Ⅰ類」「Ⅲ類」をそれぞれ道府県警察の「警察官A」「警察官B」に相当するとみなして読み進めていただければと思います。

身長・体重・視力などの身体的な条件

警視庁の採用情報によると、男女別に、身体条件が設けられています。

身長・体重・視力はおおむねですが、具体的な数字が条件にあります。

項目 男性 女性
身長 おおむね160cm以上であること おおむね154cm以上であること
体重 おおむね48kg以上であること おおむね45kg以上であること
視力 裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上であること

健康体であること、職務上問題が無い条件となっています。また、中学卒業後すぐに警察官を目指したい方も応募できるような条件になっているのではないかと思います。

この身体条件をクリアしていないと、採用試験の受験資格を満たせません。

警察官になるための大前提の条件ですので、試験勉強を始める前に、ここだけは必ずチェックしてください。

年齢の条件

Ⅰ類は、35歳未満で大卒または卒業見込みの人が対象です。

一方、Ⅲ類は、17歳以上35歳未満の人を対象としています。

中卒・高卒・高校中退した人でも、この年齢条件に当てはまっていれば警視庁の採用にチャレンジできます。

ただ、これらの身体・年齢条件を満たしていても、まだ応募可能というスタートラインに立てたという時点になります。採用を勝ち取るには試験に通過しなければなりません。

警察官採用試験で求められる学力

Ⅰ類は大卒程度、Ⅲ類の場合は高校卒業程度の学力が必要とされています。

1次試験では筆記の試験も行われますので、それに通過できる学力も必要になります。

筆記試験

筆記試験は、教養試験・論(作)文試験・国語試験となっています。

警察官の採用試験は、他の公務員試験より比較的易しいようですが、それに油断してはいけません。

実際に警視庁の警察官になった人は、高校に通いながら専門学校へ通った人、勉強期間を長く設け、問題集をひたすら繰り返し解くといった努力を重ねた人も多くいます。

論文試験(作文試験)

筆記試験に含まれている論作文試験については、Ⅰ類は論文、Ⅲ類は作文試験が実施されるのが一般的なようです。

ここでも、自分の考えを伝えるだけでなく、構成のわかりやすさ、警察官になるための必要な知識や意識を持っているか、漢字や表現方法が正しいか等、様々な観点から判断されます。

教養試験と論作文の対策

教養試験や国語・算数・英語といった基礎学力の試験にも共通して言えることは、大枠のみでなく、その詳細や仕組みをしっかり理解しておくことが試験対策のコツと言えます。

また、教養試験と論作文のために、時事問題対策もしっかりしておく必要があります。

日頃の生活では、自ら政治や経済に関するニュースを読む機会は少ないかもしれません。

インターネットニュースやテレビをつけていると、ぼんやりと話題になっているトピックは把握できますが、その詳細はなかなか理解しきれないものです。

これらの内容を踏まえると、警察官の採用試験は基本的な教養や学力だけでなく、考える力や伝える力も重視されていると考えられます。

体力検査と面接

警察官の場合、事務系の公務員職とは違い、体力検査もあります。

警視庁では、2次試験で腕立て伏せ、バーピーテスト、上体起こし、反復横跳びが実施されます。(変更する場合も有。)

体力や運動神経に自信がある方も、体力検査は採用判断の重要な判断材料になりますので、当日に向けてトレーニングをしておくと良いでしょう。

また、警察官の試験では、面接に比重が大きく置かれる傾向が高いようです。

ありのままの自分の気持ちを伝えることももちろん大切ですが、社会人として、公務員として働くための採用試験です。

ビジネスマナーや、第一印象、相手にわかるような話の組み立て、話に一貫性があるかなど注意を払わなければならないポイントが多くあります。

面接官は現役の警察官ですので、小手先の対策では見透かされてしまうでしょう。

面接対策は事前準備が成功の鍵です。学校の先生や家族などの協力を得て面接対策に取り組むことをおすすめします。

関連記事)中卒でも取れる国家資格おすすめ6選+α!受験資格や合格率も

まとめ

中卒・高卒の人が警察官になるには、警視庁の「Ⅲ類」、道府県警察の「警察官B」の採用試験を受験するのが近道です。

採用試験を受けるには、年齢条件や身長・体重などの身体的な条件をクリアしている必要があります。

そして、採用試験は、筆記試験・体力検査・面接で構成されており、それなりの勉強や準備や運動能力も必要になってきます。

警察官は、公務員職ですが中卒・高卒の人でもなれる職業です。

試験対策を入念に行わなければならないので容易に目指せる職業ではありませんが、採用となれば安定した収入が期待できます。

そして、初任給も同世代より高い水準です。

長く勤めるという点でも、一般企業のような倒産などのリスクに直面する心配もありません。

社会への貢献度も高く、学歴は関係なく多くの人に採用のチャンスがある警察官の仕事。

気になる方は、各都道府県警察の採用ページなどをリサーチされてみてはいかがでしょうか。

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