中卒だと仕事がない。。。就職先が決まらない。。。なぜでしょうか?
単に「学歴」の一言で片付ける人は多いですが、なぜ「学歴」が低いと仕事がないのでしょうか?
中卒だと、就職・転職のハードルが高く、人生における悩みの種にもなることも多いです。
そこで、中卒だと仕事がない理由、学歴が低いことが就職・転職で不利になる理由についてまとめました。
理由1 中卒者より大卒者の人数が多い
中卒・高卒・大卒者の割合が大きく変化
近年では、大学の数の増加、少子化に伴い、ほとんどの人が高校・大学へ進学します。
逆の見方をすれば、中卒での就職者が減少していることも想像できます。
参考までに、現状把握するため、文部科学省ホームページ掲載の学校基本調査「卒業者に占める就職者の割合(昭和25年~)」を参照して、中学校・高校卒業者の就職した人の割合を調べて表にしてみました。(数値は2019/7/29時点)
昭和25年 | 平成元年 | 平成15年 | 平成30年 | |
中卒で就職した人 | 45.2% | 2.9% | 0.8% | 0.2% |
高卒で就職した人 | 44.9% | 35.6% | 16.6% | 17.6% |
この表からわかることは、
- 昭和25年では中卒・高卒で就職した人の割合は90.1%(45.2+44.9)
- 中卒で就職した人の割合が極端に年々減少し0%になりそう(平成30年:0.2%)
- 高卒で就職した人も直近15年で半減(平成30年:17.6%)
していることです。
戦後しばらくの間は、中卒・高卒の割合が多かったですが、日本の経済・教育の発展に伴い減少・逆転して現在では大卒者の割合が圧倒的に多くなりました。
ザックリいうと最終学歴の割合は、中卒0.2%、高卒17.6%、大卒・短大卒・大学院卒82%ほどになります。
例えば、中学校卒業者が1000人いたら、2人が中卒で就職して、残り998人が高校などへ進学します。
さらに、この998人全員が高校へ進学・卒業したとすると、
高校卒業者998人のうち、約176人が就職して、残り822人は短大・大学へ進学していることになります。
企業側の採用活動の効率化
中卒・高卒者の割合減少かつ大卒者の割合増加によって、企業側の採用活動も時代に伴い変化していると考えられます。
企業側としては、専門知識やスキルを持っている、または、そのポテンシャルを持っている人材を採用しようとします。
そして、「大卒」という学歴は、専攻する学科にもよりますが、これらを持っていると判断されています。
また、採用や教育にかかる費用と時間も極力抑えて効率的に採用活動をしたいと考えている企業も多いです。
先に挙げた昭和25年頃では、こういった考えの企業は少なかったと考えられますが、年々中卒・高卒者が減り大卒者が増えることで、現在では人数の多い大卒者を対象とした採用活動を図り効率化を図っています。
この動きは、ホワイトカラーの職種で顕著な傾向があり、ブルーカラーの職種であっても大卒・高卒者が対象のことが多いです。
実際の求人情報でも「高卒以上」「学歴不問」などは割と多くありますが、「中卒以上」と記載のある求人は職種も限られ数も少ないです。
よって、中卒者をターゲットに置いた採用活動は、ほぼないと考えたほうが自然であり、中卒者にとっては「仕事がない」と感じることにつながっていると考えられます。
理由2 学生時代の努力や成果が評価される
学生時代の努力や成果ってどんなことがあるのでしょうか?
また、それらが学歴によってどう変わるのでしょうか?
学校で学ぶこと、身につけること
- 各教科で学ぶ知識やスキル
- コミュニケーション能力(人間関係・協調性)
- 論理的・合理的な思考と行動
- 努力すること・時には我慢すること
- 自分の将来、生き方
など。
中卒・高卒・大卒でそれぞれ学生である期間が異なり、中卒と大卒では能力差が広がる傾向があります。
もちろん、中卒でも身についている人もいますし、大卒でもいつまでたっても成長のない人もいますが。
中卒は学生時代の年数が短い
- 中卒:小中で合計9年
- 高卒:小中高で合計12年(中卒+3年)
- 大卒:小中高大で合計16年(中卒+7年)
中卒の人は、学生時代で学ぶことや育むことができる期間がどうしても短くなってしまいます。
そのため、社会に出てから大人相手に、自分の意思表示や判断に困ることも増えると懸念されるので、就職の際には保護者の同意が必要だったりします。
このため、効率的な採用活動をしたい企業にとっては中卒者を敬遠したくなる傾向もあります。
学歴で評価される2つのこと
私の話のなりますが、日常会話や就職・学歴の話になると、現在でも高校時代の先生が授業でしゃべっていた話を思い出します。
将来、君たちが就職試験や面接を受けることになったとき、会社の人は君たちを「学歴」で選ぶんです。
大学に入るために必死に勉強した努力や、そのためにした我慢を評価するんです。
だから、入ることが難しい大学に入れば入るほど、評価も高くなり就職に有利になるから、今は遊ぶのを少し我慢して勉強しなさい。
近い将来、あのとき我慢して勉強して良かったと思う日が来るから。
このようなことを授業中に言われました。
そして、現在でも大学進学を予定している人たちは、同じようなことを学校や塾や家族から言われていると思います。
このことからもわかると思いますが、採用する側の企業は、
- 学生時代で得てきた学力・専門知識・専門スキル・資格を持っている人
- これらを獲得するためにしてきたそれ相応の努力ができる人
を良く評価する傾向にあります。
もちろんこれだけで採用が決まるわけではありませんが、学歴が高いとこれらも兼ね備えている可能性が高いと推察できるので、学歴が高い人は就職に有利となる現実があります。
したがって、中卒だと、上記のことを踏まえると採用試験で不合格になることも多く、その結果、仕事がない状況が続くことになります。
理由3「学歴不問」でも経験者や学歴優先
中卒で仕事をさがすとき、求人情報などを見て「学歴不問」の求人に応募する人が多いのではないでしょうか。
しかし、学歴不問だとしても、書類選考の段階で落とされる確率が高いです。
「学歴不問」だと中卒でもいいのでは?と希望を持ってしまいますが、この場合でも経験者や学歴が優先されます。
中学卒業してすぐ就職だと、業務経験もなければ、仕事に必要なスキルなどもアピールできません。
アルバイトを数年していても、それを評価してくれる企業は少ないです。
なので、中卒で仕事をさがすなら、「学歴不問」だけでさがすのではなく、「学歴不問+未経験者歓迎」や「未経験者歓迎」の案件をさがした方が効率的です。
理由4 面接での応対
面接のとき、身だしなみ、言葉使い、礼儀作法に気を付けるのは当たり前ですが、質問に対する答えを十分にできておらず、採用試験で不合格になるケースもあります。
しかし、面接の応対は学歴関係なく自分の力でレベルアップできることです。
これらをできる人は当然、採用する企業側のイメージも良くなります。
面接に備える際は、最低限下記のことを準備することをおすすめします。
- 志望動機
- 入社してどんな自分になりたいか
- 会社にどのように貢献したいか
- 得意なこと苦手なこと
- 自分の長所・短所
- 短所をカバーするために気を付けていること
- これまでの人生で最も頑張ったことは何か
- 自分はどう生きていきたいか、どんな自分でありたいか(人生観)
これらのことを一言二言を答えて終わるではなく、具体的な内容で熱意を持って伝えることができるように準備をしたいものです。
準備のやり方としては、自己分析や性格診断をしたり、友人や家族から自分の長所・短所を聴くことが非常に有効です。
これらは、大卒で就職活動をする人なら、当たり前のようにしていることです。
恥ずかしがらずに是非試してみてください。
関連記事)中卒・高校中退で正社員になるコツ6選!男性と女性で正社員のなりやすさは?
最後に
本記事は、中卒の人にとって非常に残念な内容ばかりだったと思います。
中卒で仕事探しをして就職することは、正直簡単ではありません。
ですが、こういった状況でも努力や行動で自分を変えてきた人たちも大勢います。
「中卒だと仕事がない」と決めつけるのは誤りです。
自分の希望の仕事に就くには、それなりの努力、ときには時間も必要になりますが、最も大切なことは「諦めないこと」です。
そして、自分の抱えている悩みや問題を解決したいならば、まず現状把握が大切です。
そのためにこの記事でまとめました。
以上、「中卒だと仕事がない4つの理由!なぜ学歴が低いと就職・転職で不利なのか」でした。